「数字にまつわる話〜国家公務員が減っています…」

2020年02月12日(水)

こんにちは。北海道相談室の関東恵理子です。

この時期は国会が開催されているので予算委員会や各委員会の質疑をよく聞いています。今はインターネット中継があり、過去の質疑もさかのぼって聞けるのがとても便利ですね。国のお金の使い方を知ることや、法律ができるまでにどんな議論がされているのか知るのも大事ですし、好きが高じて昨年は実際に国会見学に行って、本会議と予算委員会を傍聴してきました(*^^*)ちょうど統計不正問題で大臣の不信任決議案が提出された日で、すごいタイミング、と思いながら一日国会で過ごして貴重な体験ができました。

新型コロナウイルスの感染者が増加していますがとても心配です。 インフルエンザや風邪にも気をつけたいところですが、コロナウイルスの心配はまだそれほどないかな?と思われる伊達でも、マスクが品切れで入荷してもすぐなくなってしまい、どこへ行っても買うことができなくなっています。全国的に大変な状況にあるようです。

このような感染症が発生すると医療機関だけでなく厚生労働省や外務省をはじめ、公務員の方たちも昼夜を問わず対応されていて本当に大変だと思います。

国の方針に沿っていろいろな業務にあたるのですが、実は国の行政に携わる公務員は国家公務員を削減する「定員合理化計画」に沿って、平成16年度の332,843人から平成31年度末の299,194人へ10%ほど減っているのです。

そしてまた、令和2年度から令和6年度の5年間でさらに3万人程度削減する目標をたてています。

人口千人あたりの公務員数は、フランスが90.1人(2018年)、イギリスが67.8人(2018年)、アメリカが64.1人(2013年)、ドイツが59.7人(2017年)に対して日本は36.9人(2018年)と今でさえ少ないのに、これからさらに削減する予定なんですね。ちょっとびっくりしました。

昨年の4月、この国家公務員の定員削減、なかでも国立感染症研究所について国会で議論されていたことがあります。

感染症や病原体に対する国の対策、対応の中核を担う「国立感染症研究所」ですが、ここも業務量が増大しているのに人数が減っている厳しい環境にあるようです。予算も10年前の水準から約20億円、三分の一が減っているという指摘がありました。ええ〜三分の一も削減って、そんなに減らして大丈夫?と思いますよね。実際、研究者が退職しても新規採用がなかったり、他の専門分野の研究者が掛け持ちしたりという状況が続き、何年も改善されていないようです。

新型ウイルスの発生のような状況も危惧されていたので、まさに心配していた状況が起こってしまった、ということでしょうか。

予算が減っているということは、現在十分な研究ができるかだけでなく、これからの研究者の養成や余裕のある労働環境の確保など、職員の皆さんが安心して働ける環境なのかということも心配になりますね。

国の借金が多いから財政を立て直すことも必要ですし、適正な予算配分はもちろんなのですが、こういった人の命や安全に関わるところにはしっかり予算をつけてもらいたいなぁと思う今日この頃です。急速な人や予算の削減は、今は見えなくてもあとでその「ツケ」が回ってくるのでは…、と心配です。

まずは、コロナウイルスがこれ以上広がらないで、一日も早く収束に向かうことを願っています。